美容外科コラム
シリコンバッグ豊胸とは?メリットや手術の流れ、注意点などを徹底解説

豊胸手術には、大きく分けて「シリコンバッグ豊胸」「脂肪注入豊胸」「ヒアルロン酸豊胸」の3つがあります。
なかでもシリコンバッグ豊胸は、一度の手術で確実にバストサイズを大きくできる方法として、多くの人に選ばれてきました。
シリコン製のバッグを胸に挿入することで、希望のカップ数や形に合わせた仕上がりに期待できます。
本記事では、シリコンバッグ豊胸の基本的な手順や種類、注意点について解説します。
目次
【7】まとめ
シリコンバッグ豊胸とはどんな手術?
シリコンバッグ豊胸とは、粘度の高いシリコンが入ったシリコン性の袋(シェル)を乳腺下または大胸筋下に挿入する手術のことです。
シリコンを挿入することで確実にカップ数を上げられるうえ、大幅にカップ数を上げられる場合もあります。
シリコンにはラウンド型とアナトミカル型があり、自分の体型やなりたい胸の形に合わせて使い分けられています。
シリコンバッグ豊胸と他の豊胸手術の違い
シリコンバッグ豊胸は、他の豊胸手術に比べ確実にサイズアップができ、長期的な効果に期待できます。
ただし、デメリットもあるため、他の豊胸手術と比較してから自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
以下に、主な豊胸手術の種類とその特徴、メリット・デメリットをまとめました。
| 施術の方法 | メリット | デメリット | |
| シリコンバッグ豊胸 | 脇の下あるいは胸の下もしくは乳輪の周りを切開し、シリコンをバストに挿入する |
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| 脂肪注入豊胸 | 自分の脂肪を吸引して、バストに注入する |
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| ヒアルロン酸豊胸 | ヒアルロン酸を注射でバストに注入する |
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豊胸について詳しく知りたい方は以下の記事へ
豊胸とは?方法の違い・費用・ダウンタイム・リスクをやさしく比較
シリコンバッグ豊胸手術の手順とは?
シリコンバッグを使った豊胸手術は、カウンセリングから術後の経過観察まで、いくつかのステップを踏んで行われます。
安全性を高め理想の仕上がりを実現するためには、それぞれの工程を理解しておくことが大切です。
カウンセリング、検査
手術の前に、医師とのカウンセリングを通して理想のバストサイズや形、体型とのバランスを相談します。
自然な仕上がりや将来的な体型変化も踏まえて、適切なサイズや種類を選びましょう。
カウンセリング後は、血液検査や心電図などの術前検査を行います。
持病や服用中の薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。
検査とカウンセリングの結果を踏まえて、使用するシリコンバッグの種類や挿入位置など、最適な手術方法を決定します。
麻酔をしてから切開と挿入
手術では、まず全身麻酔を行います。
切開部位は主に3種類あり、それぞれ特徴や術後の状態が異なります。
腋下切開:傷がバスト部分に残らないため見た目が自然
乳輪下切開:傷が乳輪の色になじみやすく目立ちにくい
乳房下切開:バッグの位置を正確に調整しやすく、施術時間が短い
切開後シリコンバッグを挿入していきます。
バッグを入れる場所によって仕上がりや痛みの程度が異なります。
詳細は「シリコンバッグを入れる場所3つとその違い」をご確認ください。
手術全体の所要時間はおおむね1〜2時間程度です。
術後は日帰りか病院に一泊
手術後は、状態が安定していれば日帰りで帰宅できるケースが多いですが、腫れや痛み、麻酔の影響が強い場合は一泊入院することもあります。
術後は胸の圧迫や違和感を感じることがありますが、通常は数日〜1週間ほどで落ち着きます。
医師の指示に従い、抗生剤や痛み止めを服用しながら安静に過ごしましょう。
出血、強い痛みなど異常がある場合は、すぐに医療機関へ連絡することが大切です。
術後1週間程度で抜糸が行われ、その後の定期的な診察で左右差やバッグの位置などを確認します。
シリコンバッグを入れる場所3つとその違い
シリコンバッグ豊胸は、シリコンバッグを入れる場所によって仕上がりや特徴が異なります。
それぞれの違いを知り、医師と相談して自分に合ったものを選ぶことでより良い仕上がりになります。
大胸筋下法
大胸筋下法は、バッグを大胸筋の下に挿入する方法です。
胸の上部にボリュームが出やすく、自然な丸みになるうえ、バッグが筋肉で覆われるため、触感がより自然になります。
また、術後、カプセル拘縮というバッグ周囲の硬化を起こしにくいという特徴があります。
ただし、術後の痛みが他の方法と比較して強く、ダウンタイムが1〜2か月と長めです。
痩せ型で皮下脂肪が少ない人、皮膚が薄い人に適用しやすい方法です。
乳腺下法
乳腺下法は、バッグを乳腺と大胸筋の間に挿入する方法です。
手術時間が比較的短く、ダウンタイムも短めなうえ、バストの動きに自然な揺れが出やすく、位置が安定しやすいというメリットがあります。
痛みは少ないものの、術後カプセル拘縮を起こしやすいというデメリットがあります。
胸にある程度ボリュームがあり、皮下脂肪が厚めの人におすすめの方法です。
筋膜下法
バッグを大胸筋の上にある薄い筋膜の下に挿入するのが、筋膜下法です。
乳腺下よりも自然で、大胸筋下よりも痛みが少ないという特徴があります。
筋肉による圧迫が少なく、形が安定しやすいメリットもある一方で、人によっては、術後の痛みを強く感じることもあります。
適度に脂肪があり、自然な仕上がりを求める人におすすめの方法です。
シリコンバッグ豊胸のダウンタイムと過ごし方
シリコンバッグ豊胸のダウンタイムは、シリコンを入れる場所にもよりますが1か月~2か月程度です。
痛みのピークは術後3日で、1週間を目処に改善していきます。
そのため、長期休みのタイミングで手術を受けるなど、無理に動かずに済むときに手術を受けるのがおすすめです。
ワイヤーのないナイトブラなどをつけ、うつ伏せで寝ないようにしながら、安静に過ごしましょう。
シリコンバッグ豊胸を受ける時の注意点
バストサイズを確実に大きくできるシリコンバッグ豊胸ですが、施術を受けた後に注意すべき点があります。
トラブルを防ぐためにも、事前に知っておきましょう。
カプセル拘縮が起こる場合がある
シリコンバッグを体内に入れると、体は異物反応を起こし、バッグのまわりに被膜(カプセル)と呼ばれる薄い膜を形成します。
まれにこの被膜が硬く縮んでしまうことがあり、この現象をカプセル拘縮といいます。
胸が硬く感じられたり、形が不自然に見えたり、痛みを伴うこともあるため、そのような症状が起きた場合は直ちに医師に相談しましょう。
シリコンバッグが破損する場合がある
シリコンバッグを挿入してから時間が経つと、経過とともにバッグの膜が劣化する場合があります。
万が一に備えて、不調がなくとも定期的な検診で状態を確認するようにしましょう。
異常が見つかった場合は、速やかに入れ替えを検討する必要があります。
入れ換えが必要な場合がある
シリコンバッグで豊胸をして、長年使用するとバッグの素材が硬化したり、周囲組織との癒着や変形が進む場合があります。
そのため、一般的には10〜15年を目安に入れ換えが必要です。
触感の変化や形のズレ、左右差が気になり始めた場合は、医師に相談しましょう。
見た目や触り心地に影響が出る場合がある
痩せ型の人ではバッグの縁が浮き出たり、触ったときにバッグ特有の硬さを感じやすい傾向があります。
また、カプセル拘縮や経年による変形が原因で、バストの丸みが不自然になることもあります。
不自然にならないようにするためには、体に合ったサイズ・素材選びと定期的な検診が重要です。
まとめ
シリコンバッグ豊胸は、体型や理想の胸の形に合わせてシリコンの種類や挿入位置を選べるため、満足度の高い仕上がりが得られます。
また、定期的な検診やメンテナンスを受けることで、長く自然なバストを維持できるケースも多いです。
ただし、術後の痛みやダウンタイム、カプセル拘縮などのリスクも伴います。
不安な点や疑問がある場合は、カウンセリングでしっかり相談し、医師と話し合いながら豊胸手術をするようにしましょう。
監修

奥立 大樹
ミセルクリニック大阪梅田院院長
脂肪吸引や脂肪注入豊胸をはじめとする美容外科施術では、理想に近づけるだけでなく、体への負担を抑えることも大切です。仕上がりの美しさはもちろん、安全性や術後の回復にも配慮し、設計段階から一人ひとりと丁寧に向き合うよう心がけています。
美容医療は、外見の変化だけでなく、人生にも大きな影響を与えます。だからこそ、納得のうえで手術に臨んでいただきたいと考えています。後悔のない選択のため、医師としての信念を持って、分かりやすく正確な情報をお届けしています。
