豊胸手術に関心があっても、シリコンなどの人工物に抵抗がある方もいるでしょう。
そうした声に応える方法として注目されているのが、脂肪注入による豊胸術です。
自分の脂肪を使って自然なバストアップを目指すこの施術は、見た目や触感のナチュラルさが魅力です。
一方で、施術にはリスクや注意したいポイントもあります。
この記事では、脂肪注入豊胸の効果やメリットだけでなく、副作用やダウンタイムといった注意点、さらにクリニック選びのポイントまで丁寧に解説します。
脂肪注入豊胸とは?自然さを追求したバストアップ術
脂肪注入豊胸とは、自分の体から採取した脂肪をバストに注入してボリュームを出す施術です。
主に腹部や太ももなどから採取した脂肪を、遠心分離などで処理し、質の良い脂肪細胞のみを選別して胸に注入します。
シリコンバッグを使わないため、異物感がなく自然な見た目や触り心地を実現しやすいのが特徴です。
比較項目 | 脂肪注入豊胸 | 人工乳腺 | 人工注入 |
---|---|---|---|
使用素材 | 自分の脂肪 | やや硬さを 感じにく構造あり |
自然な形 ※ボリュームに限界あり |
ボリュームアップ効果 | 中〜大 (注入脂肪の定着により) |
大 (豊胸サイズのアップが明確) |
小〜中 (注量に制限あり) |
効果の持続性 | 定着した脂肪は半永久的 | 数年〜10年ごとに入れ替え可能性あり | 短期的(定期注入が必要) |
メンテナンス | 不要 | 必要 | 必要 |
ダウンタイム | 中程度(脂肪採取部位による) | 長め(術後の痛み・腫れ) | 短い(腫れのみ) |
向いている方 | 自然に仕上げたい方・脂肪量にお悩みがある方 | 大幅にボリュームアップしたい方 | 手軽に試してみたい方・イベント前の方 |
また、注入した脂肪がしっかり生着すれば、長期的な効果も期待できます。
自分の組織を用いるためアレルギー反応が起きにくいこともポイントです。
脂肪注入豊胸のメリット|ナチュラルな仕上がりと部分痩せ効果
脂肪注入による豊胸の大きな魅力は、自然な仕上がりにあります。
自身の脂肪を使うことで、バストの柔らかさや動きに違和感が生まれにくく、触れても気づかれにくいのが特徴です。
人工物を用いる方法とは異なり、異物感や硬さが出にくいため、ナチュラルな印象を大切にしたい方に適しています。
さらに、脂肪を採取する工程で、気になる部位を部分的にスリムにできるのも大きなポイントです。
例えば、お腹や太ももから脂肪を取るなどの方法で、ボディライン全体のバランスも整えやすくなります。
一度定着した脂肪は体の一部として安定するため、シリコンバッグのように入れ替えや破損のリスクで悩まされることもありません。
胸を大きくするだけでなく、全身のプロポーションを整えることができるため、仕上がりの満足度が高いという声も多くみられる施術です。
デメリットと後悔の原因|注意すべきポイント
脂肪注入豊胸は、すべての方に向いている施術ではありません。
まず、痩せ型の方は採取できる脂肪が足りない可能性があることから、施術自体が難しいことがあります。
無理に施術を行うと仕上がりが不自然になったり、定着率が下がってしまったりするリスクがあるため注意が必要です。
さらに、脂肪の定着には個人差があり、思ったほどサイズが出ない場合もあります。
満足のいくボリュームを出すには複数回の施術が必要になることもあるでしょう。これにより、当初の予算を超えてしまうケースもあります。
また、副作用としては、腫れや張り、内出血のほか、脂肪がしこりになったり石灰化したりするリスクもあります。
これによりバストの形が崩れてしまう、触感に違和感が出るなどの後悔に繋がることもあるでしょう。
こうしたトラブルを避けるには、クリニックや担当医師の選定が非常に重要です。
脂肪注入豊胸は医師の技術が結果を大きく左右する施術です。
そのため、症例数が多く技術力に定評のある医師を選ぶことが成功のカギを握ります。
ミセルクリニックの奥立医師は、脂肪吸引・豊胸においても豊富な経験を持つ医師です。
奥立医師のように多くの知見を持つ医師は、ナチュラルで整った仕上がりを目指すことが可能です。
価格やキャンペーンに惑わされず、信頼できる医師に任せることが後悔しない選択につながります。
術後のダウンタイムと副作用|回復までの過ごし方
脂肪豊胸を受けた後のダウンタイムは、一般的に2週間から4週間ほどです。
術後は脂肪を採取した部位と、注入されたバストの両方に内出血や腫れ、軽い痛みが現れることがあります。
こうした症状は時間の経過とともに落ち着きます。
張りや内出血などの症状が完全に収まるまでには、1ヶ月程度を見ておくと安心です。
この間は無理な動作や長時間の入浴を避け、できるだけ安静に過ごすよう心がけると、回復がスムーズになる傾向があります。
術後は、脂肪を採取した部位には専用の圧迫着を着用し、余分な腫れや内出血を抑える処置が行われます。
あわせて、バストへの圧迫や強い刺激は避ける必要があるため、無理な体勢をとらない、睡眠時の体勢にも気を配るなどの対応が必要です。
術後の一定期間は、激しい運動や飲酒も控えることが望ましいです。
入浴についても、湯船に浸かるのは医師の許可が出てからにしましょう。
ダウンタイム中は体を温めすぎないことや、バストに負担をかけない服装選びも意識するとよいでしょう。
一時的な左右差や、バストへの違和感を覚えることもありますが、多くは自然に馴染んでいきます。
傷跡については、半年ほどでほとんど目立たなくなるケースが多く、時間の経過とともにきれいに落ち着いていきます。
また、定期的な診察を受け、医師と経過を共有することも大切です。
術後の不安を軽減できることに加え、万が一のトラブルにも早期に対応できます。
適切なセルフケアと医師のフォローアップを組み合わせることで、術後の回復はより順調に進み、満足のいく仕上がりにつながります。
脂肪注入豊胸に向いている人・向いていない人
脂肪注入による豊胸術は、自分の脂肪を使って自然なボリュームアップや形を整えたい人に適しています。
また、脂肪の採取によって気になる部位を部分痩せさせる効果も得られるため、スタイル全体のバランスを整えたい方にとっては、一石二鳥の施術でもあります。
一方で、極端に痩せている方や、明確に大きなサイズアップを求める方にとっては、十分な脂肪量の確保が難しく、施術自体が適応外となる可能性もあります。
そのような場合は、シリコンバッグによる豊胸術の方が適している場合があります。
目安としては、BMIが18程度あれば多くの人が施術の対象になります。
注意したいのは、BMIが17台の方です。
BMIが17台の方は身長や筋肉量、脂肪のつき方など個人差が大きくなるため、カウンセリングでの確認が必要です。
脂肪注入豊胸に向いているか気になる方は、全身のバランスや仕上がりの希望を伝えつつ、医師に相談してみましょう。
カウンセリングでは、遠慮せず不安や希望を共有しましょう。
納得したうえで進めることが、後悔のない美容医療の第一歩になります。
よくある質問(FAQ)
脂肪注入豊胸は何カップ大きくできますか?
一般的には1〜2カップ程度のサイズアップが目安です。注入した脂肪がすべて定着するわけではないため、複数回の施術が必要になることもあります。
脂肪はどれくらい定着しますか?
定着率は50〜70%程度といわれています。生活習慣や体質によって差があり、術後のケアも定着率に影響します。
痩せ型でも脂肪注入豊胸はできますか?
BMI18程度あれば多くの方が対象になります。BMI17台以下では採取できる脂肪が不足することもあるため、カウンセリングで確認が必要です。
術後の仕事復帰はいつから可能ですか?
デスクワークなら2〜3日後から可能なケースが多いです。体を大きく動かす仕事では1〜2週間程度の休養が推奨されます。
ダウンタイム中に気をつけることはありますか?
術後は採取部位の圧迫と胸部への負担回避が大切です。強い刺激や圧迫、飲酒や激しい運動は医師の許可が出るまで控えましょう。
脂肪注入豊胸を選ぶ前に知っておきたいこと
脂肪注入による豊胸術は、自分の体から採取した脂肪を利用するため、ナチュラルな見た目や触り心地を実現したい方にとって理想的な方法です。
人工物を使わず、体に馴染みやすい点も多くの人に選ばれている理由の一つです。
一方で、すべての方に適している施術とは言えない点に注意しましょう。
脂肪の採取が難しい体型や、バストの大幅なサイズアップを希望する場合には、他の手術法のほうが効果的な場合があります。
脂肪注入豊胸を検討する際には、リスクやダウンタイム、副作用なども含めて、正しい知識をもって判断することが大切です。
信頼できる医師によく相談し、自分の体やライフスタイルに合った施術計画を立てることが後悔のない選択につながります。
監修
奥立 大樹
ミセルクリニック大阪梅田院院長
脂肪吸引や脂肪注入豊胸をはじめとする美容外科施術では、理想に近づけるだけでなく、体への負担を抑えることも大切です。仕上がりの美しさはもちろん、安全性や術後の回復にも配慮し、設計段階から一人ひとりと丁寧に向き合うよう心がけています。
美容医療は、外見の変化だけでなく、人生にも大きな影響を与えます。だからこそ、納得のうえで手術に臨んでいただきたいと考えています。後悔のない選択のため、医師としての信念を持って、分かりやすく正確な情報をお届けしています。