
近年、豊胸手術は「単に胸を大きくする施術」というだけではなく「バランス良く体のラインを整える美容医療」としても注目を集めています。
加齢や出産、授乳によって胸のボリュームが減ったり、左右の差が気になったりするなど、悩みは人それぞれでしょう。
本記事では、豊胸手術の種類やメリット・デメリット、理想的なバストを作ってくれる名医の探し方についてご紹介します。
豊胸手術とは?目的と基本の種類を理解しよう
豊胸手術の主な目的は、理想的なバストサイズや形を実現することです。メリットや手術方法について確認していきましょう。
豊胸手術のメリット
豊胸手術は単にバストサイズを大きくするだけでなく、以下のようなケースに対応できるというメリットがあります。
希望するサイズや形に調整できる
生まれつき胸が小さい、または服を着たときのバランスを整えたいという場合に有効です。
加齢・出産によるハリの低下を補う
加齢や授乳が原因でボリュームが減ってしまった胸やハリがなくなった胸を自然に整えられます。
左右のバランスを調整できる
片側だけ小さい、位置が異なるなどのバランスの偏りも改善できます。
このように、豊胸手術は「自分の胸に対して自信を持つ」ための美容医療として選ばれています。
手術方法とそれぞれの特徴
豊胸手術には大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
1.シリコンバッグ豊胸
人工のシリコンバッグを胸の中に挿入してボリュームを出す方法です。メリットは、短時間で確実にサイズアップできる点です。
形がくっきり出るため、しっかりしたハリを求める人に向いています。
一方、デメリットはバッグの劣化や破損を防ぐため、10年~15年ほどで入れ替えやメンテナンスが必要になることです。
また、挿入したバッグの周りに硬い膜ができる「被膜拘縮」が起きるケースもあります。
2.ヒアルロン酸注入豊胸
ヒアルロン酸を注射で注入してボリュームを出す方法です。
メリットは、施術時間が短く、傷跡がほとんど残らない点です。
手術と比較すると体への負担が少なく、気軽に受けやすい方法といえます。
一方で、持続期間が半年~2年と短いというデメリットもあります。
ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、サイズアップした胸を維持したいのであれば、定期的な施術が必要です。
また、注入量や注入した深さによっては、しこりになる場合もあります。
なお、日本美容外科学会の「美容医療診療指針」では、豊胸のためのヒアルロン酸製剤注入を推奨していません。
3. 脂肪注入豊胸
自分の太ももやお腹などから採取した脂肪を濃縮し、胸に注入する方法です。
最大のメリットは、自分の組織を使うため拒絶反応が少なく、触り心地が自然なことです。
脂肪を採取した箇所については部分痩せ効果も得られます。
ただし、注入した脂肪の一部が吸収されるため、仕上がりに個人差があるところはデメリットといえます。
また、注入した脂肪が定着しないことや、しこりや石灰化が起きる可能性もあるため注意が必要です。
以上、3つの豊胸方法をご紹介しましたが、副作用やメンテナンスを考慮すると、脂肪注入による豊胸が最もリスクが少なく、自然な仕上がりを求める人に向いています。
豊胸の名医を探すポイントを解説
豊胸手術を成功させる最大のカギは、「どのクリニックの、どの医師にお願いするか」です。
ここでは、信頼できるクリニックや医師を見極めるための3つのポイントを紹介します。
カウンセリングの質をチェック
良い医師は「リスクも含めて丁寧に説明する」ことを大切にしています。具体的には以下の項目についてチェックしてください。
・メリットだけでなく、デメリットやダウンタイムについても説明してくれるか
「理想の胸が作れる」というメリットだけではなく、「しこりができる可能性がある」「術後は腫れや内出血が出る」「数週間のダウンタイムがある」など、注意点やデメリットについてきちんと説明してくれるクリニック・医師を選びましょう。
・患者の悩みや理想像をしっかり聞いてくれるか
一方的に説明するだけではなく、理想の胸の形についてや手術に対しての不安など、話をしっかり聞いてくれるクリニック・医師を選びましょう。
・症例写真を見せながら分かりやすく解説してくれるか
自分と似た体型の人の症例写真を見せてもらえるか、どのような手術をしてどう変わったかなど、分かりやすく説明してくれるクリニック・医師を選びましょう。
一方的に手術をおすすめする医師よりも、納得できるまで説明してくれる姿勢を重視しましょう。
症例数と実績を確認する
名医の条件の一つが、症例数の多さと仕上がりの美しさです。
多くの症例を手がける医師は、体型や胸の形に合わせた「バランス感覚」が身についています。
無理なサイズアップを避け、全体のラインを見ながら自然に整えるクリニックや医師を選ぶのがポイントです。
料金だけで決めない
豊胸手術は、安ければ良いというものではありません。
中には、施術後のトラブル対応やアフターフォローが不十分なケースも見られます。
料金の安さよりも、「術後ケア体制」「再診サポート」「しこりなどの副作用への対応」まで含めた信頼性を重視しましょう。
豊胸手術の流れをご紹介
自然な仕上がりで人気の脂肪注入法で豊胸手術を受ける場合の流れについて、詳しくご紹介します。
カウンセリング・診察
まずは医師とのカウンセリングを行い、希望のサイズや形を具体的に共有します。
この段階で、体の状態や脂肪の採取部位、注入可能量などを診断します。
手術に対しての不安や疑問点もしっかり確認しておきましょう。
脂肪採取と注入
当日は麻酔を使用し、太ももやお腹など事前に決めておいた部位から脂肪を採取します。
採取した脂肪は遠心分離で不純物を除去し、質の高い脂肪だけを胸へ注入します。
医師の技術によって、仕上がりの自然さや定着率に大きな差が出るため、経験豊富な名医に依頼することが大切です。
術後の経過とアフターケア
術後は痛み・腫れ・内出血が出る場合がありますが、術後数日間がピークで1〜2週間ほどで落ち着きます。
力仕事ができるようになるまでには、おおよそ1週間~1か月程度の回復期間を見ておきましょう。
ダウンタイム中に強い痛みなどが発生した場合は、すぐにクリニックに相談してください。
このフォローがしっかりしているかどうかも、良いクリニックを見極めるポイントです。
豊胸手術にかかる費用
脂肪注入による豊胸の費用は、脂肪吸引も含めて約100万~130万円前後が目安となっています。
なお、モニター制度を利用すれば、条件次第で割引価格で受けられる場合もあります。
気になる場合は、必ずカウンセリングで詳細を確認しましょう。
まとめ
豊胸手術は、理想の胸を手に入れるための美容医療ですが、大切なのは、単に大きくすることではなく、自分の体に合ったバランスでバストアップすることです。
特に脂肪注入法は、自然な仕上がりや安全性の高さから、多くの女性に選ばれています。
豊胸手術を成功させるためには、クリニックや医師の質が重要です。
信頼できる名医を見つけ、丁寧に相談しながら施術を進めることで、満足度の高い結果が得られるでしょう。
監修
奥立 大樹
ミセルクリニック大阪梅田院院長
脂肪吸引や脂肪注入豊胸をはじめとする美容外科施術では、理想に近づけるだけでなく、体への負担を抑えることも大切です。仕上がりの美しさはもちろん、安全性や術後の回復にも配慮し、設計段階から一人ひとりと丁寧に向き合うよう心がけています。
美容医療は、外見の変化だけでなく、人生にも大きな影響を与えます。だからこそ、納得のうえで手術に臨んでいただきたいと考えています。後悔のない選択のため、医師としての信念を持って、分かりやすく正確な情報をお届けしています。