
一般的な豊胸手術の相場は、50万円〜150万円程度とされています。
施術の方法や使用する素材などによって大きく費用が変わりますが、金額を基準にしてどの豊胸手術を受けるかを判断するのはおすすめできません。
希望の仕上がりや自分の体型・体調に合う手術の方法を、医師と相談したうえで選択するのが重要です。
本記事では、主な豊胸手術の種類ごとの費用相場と料金の内訳、さらに手術を受ける前に知っておきたい注意点について解説します。
豊胸手術の種類と費用相場
豊胸手術には大きく分けて3つの種類があり、方法によって費用が異なります。
脂肪注入豊胸は、施術の手順が多いため、他の2種類より高額になる傾向があります。
| 施術 | 施術の方法 | 費用 |
| 脂肪注入豊胸 | 自分の脂肪を吸引して、バストに注入する | 50〜150万円 |
| シリコンバッグ豊胸 | 脇の下あるいは胸の下もしくは乳輪の周りを切開し、シリコンをバストに挿入する | 50〜100万円 |
| ヒアルロン酸豊胸 | ヒアルロン酸を注射でバストに注入する | 50〜100万円 |
豊胸の詳細については、以下の記事をご確認ください。
豊胸とは?方法の違い・費用・ダウンタイム・リスクをやさしく比較
脂肪注入豊胸の特徴と料金の内訳
脂肪注入豊胸とは、体から採取した脂肪を胸に注入してボリュームアップする方法です。
太ももやお腹など、脂肪の気になる部分から吸引した脂肪を利用するため、「痩身」と「豊胸」を同時に叶えられる場合があります。
脂肪注入豊胸の料金の内訳
料金は以下によって変動し、相場はおよそ50〜150万円です。
- 脂肪の吸引の箇所と量
- 脂肪の精製、加工方法
- 脂肪の注入量
- 医師の経験、技術
- 麻酔導入の環境
- クリニックの設備
- アフターケア、保証の有無
脂肪を吸引する部位や量、注入量が多いほど施術範囲や作業工程が増え、費用は高くなる傾向にあります。
また、定着率を高めるために遠心分離やピュアグラフトなどの高度な精製法を取り入れる場合も、その分コストが上がります。
さらに、医師の経験や技術力によっても料金は変わり、豊胸手術の実績が豊富な医師が担当する場合は、技術料が高めに設定される場合があるでしょう。
加えて、麻酔医が常駐しているか、専用の手術室やモニタリング機器が整っているかといった安全面の体制も、費用に影響します。
脂肪注入豊胸の注意点
体に脂肪があまりついていない方の場合、希望の仕上がりにするために複数回施術を繰り返さなければならず、費用が割高になるケースもあります。
さらに、脂肪の定着率は人によって異なるため、一度の施術では満足いく仕上がりにならず、脂肪注入を繰り返す必要がある場合もあります。
シリコンバッグ豊胸の特徴と料金の内訳
シリコンバッグ豊胸とは、脇の下、胸の下もしくは乳輪の周りを切開し、シリコン製のバッグを胸の内部に挿入してボリュームアップする方法です。
一度の施術で確実な変化を得やすいのが特徴です。
シリコンバッグ豊胸の料金の内訳
料金は以下の要素によって、50〜100万円前後で変動します。
- ・シリコンバッグ本体の種類(形状・ブランド・サイズ)
- ・バッグの挿入位置(大胸筋下・乳腺下・筋膜下)
- ・医師の経験・技術
- ・麻酔導入の方法と安全体制
- ・手術室や設備の水準
- ・アフターケア・保証の有無
まず、使用するシリコンバッグの種類や品質によって料金が大きく異なります。
たとえば、柔らかさや耐久性に優れた高品質なバッグを選ぶと、その分費用は高くなります。
また、バッグを挿入する位置によっても手術の難易度が変わり、大胸筋下に入れる場合はより高度な技術が求められるため、費用が上がる傾向にあるのです。
シリコンバッグ豊胸の注意点
シリコンバッグ豊胸は、比較的長期的な効果が期待できる方法ですが、永久的に使えない場合もあります。
挿入したバッグは経年劣化するため、10〜15年ごとに入れ替えが推奨されています。
さらに、まれにバッグの周囲が硬くなるなどのリスクもあるため、術後のケアや定期的なフォロー体制が整ったクリニックを選ぶことが重要です。
ヒアルロン酸豊胸の特徴と料金の内訳
ヒアルロン酸豊胸は、ヒアルロン酸を注射でバストに注入し、ボリュームを出す方法です。
メスを使わず短時間で施術が完了するため、ダウンタイムが少なく手軽に試せるのが特徴です。
費用はヒアルロン酸の使用量に応じて変動し、1ccあたり2,000〜8,000円前後が目安となります。
ヒアルロン酸豊胸の料金の内訳
料金は以下の要素によって変動し、おおよそ50〜100万円と幅があります。
- 使用するヒアルロン酸の種類
- 注入量(希望カップ数)
- 医師の経験・技術
- 麻酔導入の方法
- クリニックの設備
- アフターケア・保証の有無
使用するヒアルロン酸の粒子の大きさや硬さ、持続期間によって価格が異なり、より自然な触感や長持ちするタイプを選ぶほど費用は高くなります。
また、希望するカップ数が大きい場合は注入量が増えるため、総額も上がるのです。
さらに、注入デザインや左右差の調整など、医師の技術力や経験の差も料金に影響します。
ヒアルロン酸豊胸の注意点
ヒアルロン酸は体内に徐々に吸収されるため、持続期間は約1〜2年程度とされています。
サイズを維持するには定期的な再注入が必要であるため、その度に費用がかかることを留意しておきましょう。
また、日本美容外科学会(JSAPS)は長期的な安全性が保証されておらず、合併症のリスクもあるとして非推奨とされています。
豊胸の値段で気をつけたいポイント3つ
豊胸にかかる料金は決して安くはないため、納得のいく仕上がりにならないと後悔につながる可能性があります。
あらかじめ豊胸の値段について、気をつけたいポイントを押さえておきましょう。
1.施術の実績は豊富か
症例数や術後の写真を確認し経験のある医師を選ぶことで、希望に近い自然なバストラインになる可能性が高まります。
技術力の高い医師が担当する場合は、費用がやや高くなることもありますが、豊胸手術は仕上がりや安全性に直結するため、料金の安さだけで判断せず、信頼できる医師を選ぶことが大切です。
2.アフターケアが充実しているか
豊胸手術は術後は、腫れや痛み、しこりなどが起きる可能性があります。
その際に、迅速に対応してもらえるクリニックを選ぶことが重要です。
アフターケアの内容が充実しているか、それにかかる費用はいくらなのかを予め確認しておきましょう。
3.麻酔代や検査代が費用に含まれているか
手術費が安く提示されても、実際には麻酔費・術前検査費・薬代などが別途請求されるケースがあります。
こうした追加費用はアフターケアにも関係するため、見積もり時には「何が含まれ、何が別料金なのか」を明確にしておくことが大切です。
費用の内訳を正確に把握することで、予算オーバーを防ぎ、納得したうえで施術を受けられるでしょう。
まとめ
豊胸手術の費用は、手術の種類・使用する素材・医師の技術力・安全体制などによって大きく異なります。
また、複数のクリニックを比較する際には、手術費だけでなく麻酔費・検査費・アフターケア費などを含めた総額を検討することが重要です。
納得のいく施術を受けるためにも、不安な点や疑問がある場合はカウンセリングでしっかりと説明を受け、納得したうえで施術を受けるようにしましょう。
監修
奥立 大樹
ミセルクリニック大阪梅田院院長
脂肪吸引や脂肪注入豊胸をはじめとする美容外科施術では、理想に近づけるだけでなく、体への負担を抑えることも大切です。仕上がりの美しさはもちろん、安全性や術後の回復にも配慮し、設計段階から一人ひとりと丁寧に向き合うよう心がけています。
美容医療は、外見の変化だけでなく、人生にも大きな影響を与えます。だからこそ、納得のうえで手術に臨んでいただきたいと考えています。後悔のない選択のため、医師としての信念を持って、分かりやすく正確な情報をお届けしています。