
長年気になっていた脂肪を脂肪吸引でスッキリさせたいと思い立った方も、「ダウンタイムはどのくらい続く?」「仕事や学校へどれくらいで戻れる?」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
特に、多忙な学生や社会人にとってダウンタイムの具体的な期間や症状の経過は、事前に知っておきたい重要な情報です。
本記事では、脂肪吸引のダウンタイム期間・主な症状の推移、部位ごとの経過、ダウンタイム短縮に役立つ方法や注意点、よくある質問までまとめて解説します。
脂肪吸引のダウンタイム期間はどれくらい?
ダウンタイム期間は体質・部位・吸引量により個人差はありますが、多くの人に起きやすい症状と経過の目安をご紹介します。
ダウンタイムの主な症状と経過
脂肪吸引後のダウンタイムの症状は、術後2週間~1ヶ月くらいで落ち着くことが一つの目安となります。ただし、症状によってピークの時期や治まるまでの期間が異なります。
【痛み】
痛みは手術後2〜3日が最も強く、激しいというより「強い筋肉痛」の感覚です。
大半は市販や処方された痛み止めで和らぎ、1週間ほどで軽くなります。
2週間もすれば、ほとんどの人が気にならなくなります。
【腫れ・むくみ】
腫れやむくみも2〜3日目がピークで、見た目が大きく変化して驚くかもしれませんが、これは体の正常な反応です。
腫れは1〜2週間でほぼおさまり、むくみは徐々に時間をかけて引いていきます。
吸引部位が最終的にすっきり仕上がるまでには3か月から半年ほどかかることもあります。
【内出血】
手術直後に出る内出血は青紫色になりますが、1〜2週間以内に黄色っぽく変化して消えていきます。
多くは洋服で隠れる範囲で治まるので、あまり心配いりません。
【拘縮(こうしゅく)】
拘縮とは、皮膚が硬くなったりしこり状になったりする症状で、術後1か月から3か月ごろに表れます。
これは治癒過程の自然な現象で、脂肪吸引が成功している証拠ともいえます。
最初は硬さを感じても、6か月から1年かけて徐々にやわらかくなり、仕上がりもなめらかになります。
仕事や学校はいつから復帰できる?
復帰までの目安は、施術部位や仕事内容によって異なりますが、デスクワーク中心なら3日から1週間が一般的です。
脂肪吸引は全身麻酔で行う場合が多く、すぐに普段通りの生活に戻るのは難しいですが、目安を知っておけば計画が立てやすくなります。
【デスクワーク中心】
顔や二の腕など狭い範囲の脂肪吸引であれば、2〜3日ほど休めば復帰できることが多いです。
太ももやお腹など広範囲の場合は1週間ほど休みがあると、ダウンタイムのピークも無理なく乗り越えられます。
【体力を使う仕事の場合】
重い物を持つ・立ち仕事・運動習慣がある場合は、1〜2週間ほど休みをとるのがおすすめです。
痛みや腫れがピークを過ぎれば、体への負担も軽くなります。
このように、脂肪吸引のダウンタイムは施術部位や内容によって大きく異なります。
次の章では部位ごとの症状や経過をさらに詳しく見ていきます。
【部位別】脂肪吸引のダウンタイムの症状と経過
ダウンタイムには目安がありますが、どの部位を施術するかによって症状や期間、日常生活への影響も異なります。
自分が気になる部位の経過を知っておくことで、仕事やプライベートのスケジュールも立てやすくなるでしょう。
ここでは、顔、二の腕、太もも、お腹といった人気の部位について、それぞれのダウンタイム期間や特徴を紹介します。
顔(頬・顎下)の脂肪吸引のダウンタイム
顔はダウンタイムが比較的短めですが、「圧迫バンド」の着用が必要です。
吸引量が少ないため腫れは1〜2週間でおさまり、仕上がりは3か月ほどで完成します。
術後は口を開けにくい・笑いにくいといった症状が出る場合がありますが、多くは腫れやむくみが原因です。
圧迫バンドは1週間〜1か月の着用が一般的です。復帰時にはバンド着用のタイミングも考慮しましょう。
二の腕の脂肪吸引のダウンタイム
術後は腕を上げる動作が一時的にしづらくなりますが、痛みは1週間ほどで落ちつきます。
仕上がりが完成するのは3〜6か月後が目安です。
腕の付け根や脇を吸引すると関節周辺に腫れや痛みが集中するため、重い物を持つ作業や高所の作業には1週間ほど注意しましょう。
デスクワーク中心なら日常生活への大きな支障は少ないです。
太ももの脂肪吸引のダウンタイム
太ももは広範囲なため、歩くときの痛みが強く出る傾向があります。
痛みは1週間ほど続き、内出血も広がりやすく、2〜3週間ほどで目立たなくなります。
むくみや拘縮が完全に引いて仕上がるまでには6か月〜1年程度かかることも。
特に歩行は術後数日痛みが強いので、杖を使う・自宅で安静にするのがおすすめです。
また、むくみ対策には着圧ストッキングの着用が重要です。
お腹の脂肪吸引のダウンタイム
お腹は痛みが比較的早く落ち着きますが、「拘縮」が出やすい部位です。
痛みは1〜2週間、内出血は2〜3週間で落ち着き、仕上がりは3〜6か月が目安です。
お腹は皮膚が厚いため、1〜3か月ほど硬さを強く感じることがあります。
これは自然な治癒反応で、マッサージやインディバなどのケアで徐々に柔らかくなり、最終的にすっきりしたお腹のラインになります。
脂肪吸引のダウンタイムを早く終わらせる5つの方法
ダウンタイムはただ待つだけではなく、セルフケアを工夫すれば短縮できます。
「できるだけ早く普段の生活に戻りたい」「痛みをできるだけ減らしたい」といった方へ、具体的な5つのポイントを紹介します。
圧迫着を正しく着用する
圧迫着は、むくみや腫れを抑えて仕上がりを整える大事なケアです。
術後24時間は常時着用し、その後は日中1〜3か月着用するのが一般的です。
圧迫が弱すぎると効果が減り、強すぎると血流が悪くなります。
必ず医師の指示に従いましょう。
マッサージやストレッチを行う
拘縮が出始めたら、優しくほぐすマッサージやストレッチが有効です。
始めるタイミングは術後1〜2週間後(抜糸後など)、痛みが治まってからが目安です。
強くしすぎると逆効果なので、必ず医師や看護師の指導を受けてから行いましょう。
食事や生活習慣を整える
バランスのとれた食事や規則正しいリズムで、体の中から回復をサポートしましょう。
塩分やアルコールはむくみを悪化させるため控えめに。
傷の治りを助けるタンパク質や、回復を促すビタミンCを意識的に摂り、十分な睡眠も心がけてください。
クリニックで推奨されるアフターケアを受ける
セルフケアでは難しい深部のケアは、クリニックの専門的なアフターケアが役立ちます。
インディバなどは血行やリンパの流れを促進し、むくみや拘縮の軽減や回復を早める効果が期待できます。
ダウンタイムを左右する医師の技術
ダウンタイムの長さや症状は、担当医師の技術に大きく左右されます。
吸引カニューレ(管)の太さや施術時の丁寧さひとつで、内出血や腫れにも違いが出ます。
経験豊富で組織へのダメージが少ない医師を選ぶことも、早い回復につなげるポイントです。
脂肪吸引のダウンタイム中にやってはいけないこと・注意点
快適にダウンタイムを乗り切るには、セルフケアだけでなく「やってはいけないこと」を知っておくことも重要です。
誤った行動は症状悪化や回復の遅れにつながるため、必ず医師の指示を優先してください。
入浴・シャワー
傷口を清潔に保ちつつ、血行を急に良くしすぎないことが大切です。
術後すぐは傷を水に濡らさないのが基本。
シャワーは傷を保護すれば翌日から可能な場合が多いですが、クリニックの指示に従いましょう。
湯船入浴は術後1週間〜10日以降、傷がしっかり塞がってからが目安。
体を温めすぎると腫れや内出血がひどくなるため注意が必要です。
飲酒・喫煙
飲酒はむくみ、喫煙は血行不良を招き回復を遅らせるため、最低でも1〜2週間は控えましょう。
アルコールは血管を広げて炎症や腫れを悪化させ、タバコは血管を収縮させて傷の治りを妨げます。
運動
組織が回復するまでは、激しい運動は控えましょう。
ウォーキングなど軽い運動は医師の許可のもと数日〜1週間後から可能になることがあります。
ランニングや筋トレは1か月ほど避けたほうが無難です。
無理すると圧迫着もズレやすくなるので、運動の再開は必ず医師の判断を仰いでください。
脂肪吸引のダウンタイムに関するよくある質問
ここでは、脂肪吸引を検討している方が抱きやすい、ダウンタイムに関する具体的な疑問についてお答えします。
脂肪吸引後、むくみがひどいのはなぜ?
脂肪吸引時、脂肪細胞とともに細かい血管やリンパ管も一時的に傷つきます。
リンパは体内の水分や老廃物を回収する器官なので、手術による損傷でむくみが起こります。
これは体の正常な反応で、徐々に回復するので心配ありません。特に下半身(太ももなど)は重力の影響でむくみが起きやすくなります。
しっかり圧迫やマッサージでリンパの流れを促しましょう。
ダウンタイムが辛い時の対処法は?
痛みは処方された薬や冷却でやわらげましょう。
どうしてもつらい場合や、想定外の症状が出たときは自己判断せず、クリニックに相談することが重要です。
SNSやネットの体験談は人それぞれ内容が異なるため、参考程度にとどめましょう。
脂肪吸引で失敗しないためのクリニック選びのポイントは?
医師の技術だけでなく、ダウンタイム中のサポート体制も確認しましょう。
チェックするポイントは、 以下のとおりです。
- ・医師の症例数(経験の多さ)
- ・ダウンタイムやリスクについてしっかり説明してくれるか
- ・インディバ等のアフターケアの有無
- ・緊急時のサポート体制(夜間・休日対応など)
事前にしっかり確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、脂肪吸引のダウンタイムについて、期間の目安や部位別の経過、ダウンタイム短縮法や注意点まで幅広く解説しました。
症状や期間には個人差がありますが、正しい知識とケアがあれば乗り越えられます。
最も大切なのは、ダウンタイムも含めて信頼できるクリニックを選ぶこと。
経験豊かな医師による丁寧な施術と、しっかりしたアフターケアを受けることで、回復も早まり、理想のボディラインを目指すことができるでしょう。
監修
奥立 大樹
ミセルクリニック大阪梅田院院長
脂肪吸引や脂肪注入豊胸をはじめとする美容外科施術では、理想に近づけるだけでなく、体への負担を抑えることも大切です。仕上がりの美しさはもちろん、安全性や術後の回復にも配慮し、設計段階から一人ひとりと丁寧に向き合うよう心がけています。
美容医療は、外見の変化だけでなく、人生にも大きな影響を与えます。だからこそ、納得のうえで手術に臨んでいただきたいと考えています。後悔のない選択のため、医師としての信念を持って、分かりやすく正確な情報をお届けしています。